FC2ブログ

吉田泰士建築研究室 ローコスト住宅 自由設計 北海道 一級建築士事務所 不動産

担当案件札幌市及びその近郊で100件超 住宅・不動産のことなど お気軽にご相談ください

新しい省エネ基準の枠組み

2015.04.14 (Tue)
家づくりの断熱基準は、
これまで、平成11年3月改正の次世代省エネ基準であった。

この、次世代省エネ基準の特徴は、
Q値1.6以下を計算でチェックする「性能規定」と、
使用断熱材料の種類・厚さから判断する「仕様規定」の
いずれかを満たすことだった。

次世代省エネ基準は、先月の3月末で廃止され、
今年4月1日から平成25年省エネ基準(以下H25年基準という)が完全施行となった。

H25年基準の主な特徴は、「外皮性能」+「一次エネルギー消費量」が評価の対象となっていることだ。
この基準は2020年までに適合義務化が予定されている。
つまり、近い将来、省エネ基準を満たさないと
新築住宅が着工できない時代がやってくることになる。

次世代省エネ基準では、躯体の断熱性能のみ満足していればよかったが、
「H25年基準」は、躯体の断熱性能だけでなく、
給湯や暖房、照明などの設備も評価して表すことになっているのが大きな特徴だ。

外皮性能とは、家の断熱性能の事を指し「UA値」で示される。
札幌地域での基準値は0.42W/(㎡・K)以下となっている。
旧基準「Q1住宅」相当は、UA値に換算すると0.3W/(㎡・K)程度が等しいとされている。

少なくとも上記外皮性能基準が満たされないものは、
一次エネルギー消費量の計算は不可能というルールになっている。

一次エネルギーとは、
化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など、自然から得られるエネルギーをいい、
一次エネルギー消費量の基準を満たすには、
経験則から灯油セントラル暖房等では、LED照明等を設置することでクリアできるが、
電気系の暖房や給湯設備の場合、ヒートポンプが無いと基準を満たすことが難しくなっている様相だ。

一次エネルギー消費量については、
国のプログラムにより、統一基準で計算され、
ユーザーにとって分かりやすいものとなっている。
☆

※株式会社ドリホ「認定住宅」の事例。
統一基準で計算され、星の数や目盛で自分の家の断熱性能が一目で分かるようになった。


低炭素認定住宅って?

省エネ基準の制定と合わせて創設された、
二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物で、所管行政庁(都道府県、市又は区)が認定を行うもの。

市街地のみの規定で、用途地域のある場所でのみ適用となる制度となっている。

「H25年基準」より一次エネルギー消費量が10%低い住宅であることに加え、
低炭素化に資する処置を二つ以上講じていることが必要となっている。


また、省エネ基準の改正に伴い住宅性能表示制度も改正された(平成27年4月1日施行)
性能表示

平成25年省エネ基準の外皮の基準が満たされるものは、断熱等性能等級4
平成25年省エネ基準の外皮の基準及び一次エネルギー消費量の基準が満たされるものは、
一次エネルギー消費量等級4
低炭素基準相当のものが、一次エネルギー消費量等級5となっている。

これらの制度のメリットについて

低炭素認定住宅
・住宅ローン減税枠が3000万円から5000万円になること。
→北海道の場合、融資総額が3000万円を超えることがあまりないので、この恩恵はあまり無いと言える。
・登記代金等が若干(5千円程度)安くなること。
・フラット35の金利Aプラン(10年間金利優遇)の適用が可能。

その他、フラット35Sの金利優遇は下表を参照。

フラット
※住宅借入を2500万円・35年返済とした場合、基準金利に比べ、
フラット35Sの金利A(10年間基準金利マイナス0.6%)では約145万円
フラット35Sの金利B(5年間基準金利マイナス0.6%)では約79万円
総返済額が安くなるのは大きい。


断熱性能の計算の仕方から、
性能表示の枠組みまで、ガラリと変わり、
エコポイント制度も加わり、
こちらでは「次世代省エネ基準」が生きていたりするので、
住宅設計の現場は、やや混乱している状況だ。


これらの法律改正を適切に読み解き、
優遇利用やわかりやすい燃費計算等、
エンドユーザーにご満足いただけるご提案を
心がけていきたいと思います。